第41章 深まる影
アーニーとその友人のハンナと、ハリー、ミラとロンは一際大きな無果実を一緒に刈り込んだ。
「あのドラコ・マルフォイは、一体どういう神経をしてるんだろう。こんな状況になってるのを大いに楽しんでいるみたいじゃないか?」
と、アーニーは刈った小枝を降りながら言った。
「僕、あいつがスリザリンの継承者じゃないかと思うんだ」
「まったく、いい勘しているよ、君は」
と、そう言ったロンは、ミラと同じくハリーほど容易くアーニーを許していなかった。
(アンタも散々ドラコが継承者だって疑ってたくせに)
ミラは呆れた視線をロンに寄越したが、ロンは気付かずに無花果の小枝を刈った。
「ハリー、君はマルフォイだと思うかい?」
「いや」
アーニーの質問に、ハリーがあまりにもキッパリと言ったので、アーニーもハンナもハリーを見つめた。
「あんな臆病者が継承者なわけないよ」と、ミラは刈る手を止めずに言った。おかげでアーニーとハンナはハリーから目を逸らした。
「ア痛ッ!何をするん----」
突然ロンが声を上げると、ミラはロンの後ろにいるハリーが数フィートほど先の地面を指差していた。大きな蜘蛛が数匹ガザゴソ這っている姿を見つけると、ミラは嬉しそうにハリーを見た。
「今追いかけるわけには行かないだろ…」
ロンは何とか嬉しそうな顔をしようとしたが、眉間にシワが盛大に寄せていた。アーニーもハンナも、聞き耳を立てていた。ハリーとミラは逃げて行く蜘蛛をジッと見つめた。
「この方角って…『禁じられた森』じゃないか?」
「そうみたいだ」
「おいおい…」
ロンはますます情けなさそうな顔をさせた。