第41章 深まる影
薬草学の教室に着くと、既にハッフルパフの生徒とスプラウト先生が授業の準備を始めていた。やっとミラたちが来たことで、スプラウト先生は授業の説明を始めた。
同級生が二人欠けたせいで、授業は沈んだ雰囲気が漂っていた。スプラウト先生は、アビシニア無花果の大木の剪定の手作業をさせた。ミラは黙々と作業をしていると、ハリーもその横で黙々と作業をしていた。
そんな二人の前に、誰かがやって来た。二人は顔を上げると、そこには少し緊張した面持ちのアーニー・マクミランがいた。
「何だ」と、ミラはぶっきらぼうに言い放つと、アーニーは両手をギュッと握り締めて、非常に丁寧に話しかけてきた。
「ハリー、それに…グローヴァー、僕は君たちを一度でも疑ったことを申し訳なく思ってる。ハリーも君もハーマイオニー・グレンジャーを決して襲ったりしない。僕が今まで言ったことをお詫びします。僕たちは今、みんな同じ運命にあるんだ。だから----」
アーニーが丸々太った手を差し出すと、ハリーはその手を取って握手をした。ミラは握手には応じず、止まっていた手作業に戻った。
「散々変な噂を撒いたんだ、簡単に許す気なんてないから」
「うぅっ…本当にごめんなさい」
「今度変な噂を撒いたら----うっかり、アンタの飲み物に蛇の毒を垂らすかもね」
ニヤッとミラはアーニーを見上げると、アーニーは顔を真っ青にさせてながらも、大きく首を振った。
「肝に銘じておきます…」
と、小さな声でアーニーは呟いた。