第35章 クリスマスとポリジュース薬
大理石の階段を降り、そこでスリザリン生を見つけて、談話室までついていけばいいと考えていたが、誰もいなかった。
「スリザリンの談話室は、多分地下牢にあると思う。前にマルフォイを追いかけた時に、途中で見かけたし、スリザリン生がいっぱいいた。朝食の時だって、地下牢から出て来るのを見たことあるだろ?」
ミラは静かに、二人にしか聞こえない音量で囁いた。その時、長い巻毛の女子生徒が、その入り口から出てきた。
「すみません、僕たちの談話室への道を忘れちゃって」
「なんですって?私、レイブンクローよ」
ロンがその女子生徒に尋ねると、女子生徒は疑り深く二人を振り返って、立ち去ってしまった。
三人は地下牢へ降りていくと、迷路のような廊下には人影もなかった。歩いても歩いても、スリザリンの談話室が見つかる気配がなかった。十五分も歩いても見つからず、諦めかけていた時だった。脇の部屋から誰か出てくると、三人はそれがスリザリン生だと思い、急いで近寄ってみたが、がっかりする結果となった。
「こんなところで何の用だい?」
と、スリザリン生ではなく、パーシーだったことにロンは驚いていた。パーシーはムッとした様子だった。
「そんなこと----君の知ったことじゃない。そこにいるのはクラッブだな」
「エッ----ああ、ウン」
「それじゃ、自分の寮に戻りたまえ。この頃は、暗い廊下をうろうろしていると危ない」
「自分はどうなんだ」
と、ロンが指差して突っ込んだ。その通りだと、静かに黙って見ているミラも、ロンと同じ考えだった。
「僕は監督生だ。僕を襲うものは何もない」
その時、ミラは背後から誰かの足音が聞こえ振り返った。その人物が誰だかわかると、ミラは慌ててハリーの上着を引っ張った。何事かと思ったハリーも振り返ると、ドラコがこっちへやってくるのが見えた。
この時ほど、ハリーとミラはドラコに会えて嬉しいと思ったことはないだろう。
「お前たち、こんなところに居たのか」
と、ドラコが二人を見て、いつも気取った言い方で話し始めた。