第35章 クリスマスとポリジュース薬
「驚いたなぁ」
ロンは鏡に近寄り、クラッブの平べったい花を突っつていた。
「急いだほういい、みんな。スリザリンの談話室がどこにあるか見つけないといけないんだから」
「そうだね」
「出てこいよ、ハーマイオニー。行かなくちゃ」
ロンがハーマイオニーの個室の扉をドンドンと叩いた。
「わたし----私、行けないと思うわ。三人だけで行って」
「ハーマイオニー、ミリセント・ブルストロードがブスだってことは分かってるよ。誰も君だってこと、わかりゃしないよ」
「ダメ----本当にダメ----行けないわ。三人とも急いで、時間を無駄にしないで」
「大丈夫、ハーマイオニー?なんなら私、ここに残るよ」
「大丈夫----大丈夫だから----みんな、行って」
ハリーは困惑した顔でロンを見た。
「その目つきの方がゴイルっぽいや。先生が奴に質問すると、必ずそんな目をする」
「そんなこと言ってないで、行くよ」
ミラは二人をせっついた。ハリーは腕時計を見ると、貴重な六十分のうち、五分も立ってしまっていた。
「ミラの言う通りだ、行こう。あとでここで会おう、ハーマイオニー」
「うん----ごめんね」
三人はハーマイオニーを心配する気持ちを抑えて、周りに誰もいないことを確認してから、慎重にトイレから出た。ミラもトイレを出る直前に透明マントを被った。クラッブとゴイルの一緒に歩いているところを見られれば、誰もが振り返って怪しむに違いなかった。
クラッブとゴイルになったハリーとロンの後を、ミラはこっそりとついて行った。二人はハリーとロンよりも大きく、体の小さいドラコがいつもこうして顔を上げなければいけないのかとミラは思った。