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【HP】怪鳥の子

第34章 決闘クラブと蛇


 スネイプ先生の部屋に忍び込んで材料を取ってから一週間が経った。

 ミラはあれからドラコから痛い視線をもらっていた。それに気が付かないようなふりをして、なるべく談話室以外ではハリー達と行動を共にした。ドラコから追及されてもかわせるとは思ってはいるが、勘付かれてポリジュース薬のことがバレれば、今度こそスネイプ先生から退学を言い渡される可能性が高い。
 おかげで『嘆きのマートル』のトイレへ忍び込むときは、ドラコがいないか十分に用心して入らなければならなかった。


 夕飯を取ろうと四人が玄関ホールを歩いていると、掲示板の前にちょっとした人だかりが出来ていた。掲示板には真新しい張り出された羊皮紙があり、先に来ていたシェーマスとディーンが興奮した様子で四人を手招きした。
「『決闘クラブ』が始まるそうだ!」と、シェーマスが言った。

「早速今夜からだって!決闘の練習なら悪くないな。近々役に立つかも----」
「はあ?君、スリザリンの怪物の怪物と決闘なんかできると思ってるの?」

 と言いながらも、ロンも興味津々で掲示板を読み始めた。


 「役に立つかもしれない、僕たちも行こうか?」と、夕食に向かう途中、ロンが三人に尋ねた。ミラはいの一番に「行きたい!」と言うと、ハリーとハーマイオニーも大乗り気だった。

 四人は再び大広間へ急ぐと、食事用の長いテーブルがすでに取り払われていた。一方の壁に沿って、金色の舞台が出現していた。何千本もの蝋燭が上を漂い、舞台を照らしていた。

 すでにたくさんの生徒がそれぞれ杖を持って、興奮した面持ちで集まっていた。

「早く始まらないかなぁ」

 ミラも早く呪文を使いたいと、ウズウズした様子で大広間を見渡していた。

「いったい誰が教えるのかしら?誰かが言ってたんだけど、フリットウィック先生って、若い時『決闘チャンピオン』だったんですって。きっとそうだわ」
「人は見た目にもよらないって言うけど、呪文学の先生なら納得かも」
「誰だっていいよ。あの人じゃなかったら----」

 ハリーが言い終わる前に、舞台にギルデロイ・ロックハート先生が登場した。ハリーは呻き声をあげ、ミラもみなぎっていたやる気が一気に萎むのを感じた。
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