第32章 ガールズトーク
「ミラ、ダメよ二人の前であんなことするなんて…それもあんなに顔を近付けるなんて…」
「ずっと考えててもわからないから、じっくり見たら分かるかなって思ってさ。なんでみんなそんなに慌ててるんだ?」
ミラは本当にわからないと首を傾げてハーマイオニーを見た。
「えっと…とにかく、簡単に男の子とあんなに顔を近付けちゃダメなのよ!ビックリしちゃうわ」
「ハリーとロンも?」
「二人もよ」
「じゃあ」と、ミラは悪戯っぽい笑みを浮かべて、ハーマイオニーの顔を覗き込むようにグッと自分の顔を近付けた。
「女の子のハーマイオニーにはいいってこと?」
「!!」
いきなり近くなったミラに、ハーマイオニーはビックリした顔をすると、うっすらピンク色だった頬が赤くなった。
「ダメ!ダメったらダメよ!!」
怒りだしたハーマイオニーを見たミラはケラケラと笑い出した。ハーマイオニーは、きっとこれからも綺麗になっていくだろうミラの将来に不安を覚えた。薄々思っていたが、ミラは自分の容姿を全く気にした素振りを一切見たことがない。自覚していないからこそ、今日みたいなことを平然とされると、見ている周りが心臓が悪い。
ドラコに至っては、心臓に悪いどころではなかっただろう。
もっと自分の容姿について自覚させなければいけないと、ハーマイオニーは謎の使命感が沸いた。
二人の後ろを歩いていたハリーは、ミラを心配そうに見ていたが、ミラはそれに気付かず、ハーマイオニーをからかってケラケラ笑っていた。