第32章 ガールズトーク
次の日の朝、朝食をロンとハーマイオニーの三人で食べた後、ハリーの見舞いに行こうと医務室に向かっている時だった。マクゴナガル先生がフリットウィック先生に、昨夜コリンが継承者に襲われたという話しを聞いてしまった。
「ハリーには悪いけど、ポリジュース薬を一刻も早く作るべきだわ」
そう言うや否や談話室に慌てて戻り、各自部屋から魔法薬の授業でとってきた薬草を持ち寄り、三階のトイレに向かった。ポリジュース薬を作るための大鍋は、ミラが以前罰則で鍋の焦げ落としをしたときに、使われていない古い大鍋を見かけていたおかげで一つコッソリと頂戴していた。
早速ハーマイオニーが作業に取り掛かり、大鍋を便座の上に置き、鍋の下で火を起こした。火は防水性の持ち運びができる呪文で、ハーマイオニーの得意な呪文だ。
しばらくすると、ハリーがトイレにやってきた。骨が生えそろった腕は、まだぎこちない動きはしていたものの、完全に治ったようでミラは安心した。
「コリンをやったのはマルフォイだ。昨日のクィディッチの試合の後、むしゃくしゃした腹いせにやったと思うな」
と、ハリーがドラコの話を始めた。ミラは顔を顰めたが、また昨日のようにドラコを庇うような話をすれば、ハリーが不機嫌になるだろうと思い、口を閉じて静かに聞いていた。ミラは昨日のドラコの様子を思い出したが、腹いせにコリンを襲うようなことをするだろうかと、疑問を抱いていた。
「それと、夜中にドビーが僕のところへ来たんだ」
これにはミラ、ロン、ハーマイオニーも驚いたように顔を上げて、ハリーを見つめた。ドビーがハリーを学校に行かせないために9と3/4番線の扉を閉じたこと、ハリーを学校から追い出すためにブラッジャーを改造したこと、そして『秘密の部屋』が以前にも開けられたことがわかった。
「これで決まったな」と、ロンが意気揚々に言った。
「ルシウス・マルフォイが学生だったときに『部屋』を開けたに違いない。今度は親愛なるドラコに明け方を教えたんだ。間違いない」
「でも、ブラッジャーはマルフォイじゃなかった」
ミラは得意げに三人を見て言った。