第30章 名前のない関係
「今日はいつもよりいい動きだな、マルフォイ。何かいいことでもあったか?」
次の日のクィディッチの練習、キャプテンのフリントが僕を褒めた。僕はいつも通り、シーカーとしての練習をしたまでだが----『がんばれ!』と、頭の中でグローヴァーの声が聞こえた。
なんで今思い出すんだ!
「…いえ、次のグリフィンドールでの試合で、アイツらの悔しがる顔を早く見たくて、つい力が入ってたようです」
もっとマシな言い訳は言えないのか、僕は…。だが、フリントはそれで満足してくれたようでホッとした。根掘り葉掘り聞かれたら、たまったもんじゃない。
グローヴァー、僕に応援の声をかけたことを後悔させてやるからな…。