第27章 罰則
「ゲッ」
ミラは嫌そうに、声がした方を振り向いた。言わずもなが、スネイプ先生だった。すぐにミラとドラコに目をつけると、大股でやってきた。
「時間になってもやってこないと思えば、また我輩の寮生と喧嘩ですかな?」
「絡まれたのは、私の方です」
スネイプ先生の含みのある会話に、ミラは臆さず答えた。
「ハリーのサイン入り写真をせがまれて困ってるんです」
「そんなものいるもんか!」
憤慨したようにドラコは叫んだ。
「辞めたまえ!見苦しい…マルフォイ、後ろの二人を連れてさっさと寮に戻りなさい」
ドラコは納得がいなかないと、ミラの横を通り過ぎるとき、酷く睨みつけて行った。クラッブとゴイルも、ドラコの後を慌てて追いかけて行った。
「グローヴァー、どんな理由であれ遅刻は遅刻。マクゴナガル先生はきっかり八時だと言わなかったかね?」
「…」
つくづく嫌な先生だ、とミラは思った。
「遅刻したからと言って、焦げ付いた鍋の数は変わらん。来い」
歩き出したスネイプ先生の後を、ミラはやる気なさげについていった。
指定された鍋は焦げがあちこちにつき、中にはかなり酷い焦げ付いた鍋も見受けられた。
ーーわざと明日の朝まで付き合わせてやろうか。
そんな文句は飲み込み、ミラは焦げ落としを手に、焦げ付いた鍋を掴んだ。