第26章 汚れた血
「グローヴァー、貴方はスネイプ先生の部屋で魔法薬で焦げた鍋の掃除をしなさい」
「…はぁい」
嫌な予感はしていたが、フィルチとロックハート先生と比べると、スネイプ先生はまだマシなような気がした。嫌味をネチネチ言われるかもしれないが、ミラは素直に頷いた。
「今夜八時きっかりです」
三人はがっくりと肩を落として大広間に向かった。
「当たり前でしょ、校則を破ったんですもの」
と、ハーマイオニーは後ろからついて来た。
お腹をすかしていたハリーも、食事を前にしても食欲がなくなったようにフォークの進みが遅かった。ミラも今夜、スネイプに何を言われるのかと思うと、食欲が沸かなくなった。
「フィルチのやつ、僕を一晩中離してくれないよ----魔法なしだなんて!あそこにどれだけ銀杯があるか知ってるか?百個はあるぜ…マグル式の磨き方なんて、僕、苦手だよ…」
「いつでも変わってやるよ。ダーズリーのところで散々訓練されてるから。ロックハートのファンレターの返事を書くなんて----最低だよ----」
滅入っているロンに、ハリーもうつろな声で言った。
「こっちはスネイプだよ。マルフォイのこと、殴ったのがバレたらめんどくさいことになりそうだよ----ロン、代わってよ」
「そっちもやだよ」
三人は大きなため息を吐いた。