第4章 9と3/4番線
ハリーとロンがクィディッチの話に夢中になっていると、ミラは退屈そうに窓の外を見ていた。ここからが面白いとロンのクィディッチ話に熱が入りそうになった時、またコンパートメントのドアが開いた。
ミラは窓の反射で誰が開けたのだろうと見てみると、反射して写ったのはマダム・マルキンのお店で出会った青白い少年だった。しかし彼の顔はハリーの方を見ていて、当たり前だが窓に反射した彼とは目も合わなかった。
ドラコの後ろには、体がガッチリした強そうな少年たちで、すごく意地悪そうな顔をしていた。
「本当かい?このコンパートメントにハリー・ポッターが居るって、列車の中じゃその話でもちきりなんだけど。それじゃ、君なのか?」
「そうだよ」
「ああ、こいつはクラッブで、こっちがゴイルさ」
ハリーの視線に気がついたドラコが二人を紹介した。
「そして、僕はマルフォイだ。ドラコ・マルフォイ」
ロンは笑うのを誤魔化すため、軽く咳払いした。しかし、ドラコはそれをしっかり見ていた。
「僕の名前が変だとでも言うのかい?君が誰だか、聞く必要も無いね。父上が言ってたよ。ウィーズリー家は皆んな赤毛で、そばかすで、育て切れないほどたくさんの子供が居るってね」
次にハリーに向かってドラコは言った。
「ポッター、そのうち家柄の良い魔法族と、そうでないのとがわかってくるよ。友達をつくるときには間違ったのとは付き合わないことだね。その辺は、僕が教えてあげよう」
ドラコはハリーに手を差し出して握手を求めていた。
「間違ったかどうかを見分けることは自分でも出来ると思うよ。どうもご親切に」
ハリーは握手はすることなく、冷たく言った。
そのことに対して、ドラコは顔を赤くすることはなかったが、頬がピンク色になっていた。
「ポッター、僕ならもう少し気を付けるがね」
ドラコはハリーにつっぱねられたことで、ハリーの両親がどうなったのか、ロンやハグリットを下等な奴らと罵り、それに怒りを露わにしたハリーとロンは勢いよく席から立ち上がった。
ミラは窓際の縁に頬杖をつきながら、少年たちが今にも喧嘩を始めそうなのを見守っていた。もちろん、ハリーのことを悪く言ったドラコには腹が立って入るが。