第26章 汚れた血
「そこの四人にお願いしよう。その辺に残っているピクシーを摘んで、籠に戻しておきなさい」
ちょうど教室から出ようとしていたミラたちに、ロックハート先生は声をかけ、四人の脇を通り抜けて、後ろでに素早く扉を閉めてしまった。
「耳を疑うぜ」
ピクシーの一匹に耳を噛まれているロンが、唸りながら言った。
「教師の癖に大したもんだよ」
ミラはハーマイオニーの髪の毛を引っ張っているピクシーを素早く鷲掴んだ。
「私たちに体験学習をさせたかっただけよ」
と、ハーマイオニーがミラと同じ『縛り術』をかけて、二匹のピクシーを捕まえ、籠に押し込んだ。
「体験だって?ハーマイオニー、アイツは自分のやってることが全然わかってなかったよ」
と、ハリーが舌を出してからかってくるピクシーを追いかけて言った。
「違うわ----彼の本、読んだでしょーーーー彼って、あんなに目覚めるようなことやってるじゃない----」
「ご本人はやったと言ってますがね」
「目覚めるようなって、何?」
ミラは訝しげにハーマイオニーに言った。
「正直一冊も目を通してない」
「母さんから勧められた本は読んでただろ」
「嘘くさくて読むの辞めた」
ペロっと、いたずら顔で舌を出したミラ。
「母さんが知ったら大変だ」
と、ロンは小さく呟いた。