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【HP】怪鳥の子

第24章 車通学


「僕たち、荷物をまとめます」

 ロンが観念したように言った。

「どういうつもりですか、ウィーズリー?」

 マクゴナガル先生が吠えるように言った。

「だって僕たち、退行処分になされるんでしょう?」
「今日というわけではない、ミスター・ウィーズリー」

 ダンブルドア校長が言った。

「しかし、君たちのやったことの重大さについては、はっきりと三人に言っておかねばのう。今晩三人のご家族に、私から手紙を書こう。それに、二人には警告しておかねばならんが、今後またこのようなことがあれば、私としても、二人を退学にせざるを得んのでな」

 スネイプ先生は、クリスマスがオア助になったような顔をしていたことに、ミラは内心ほくそ笑んだ。

「校長、この者たちは『未成年魔法使いの制限事項令』を無視し、貴重な古木に大きな被害を与えたのです。このような行為はまさしく----」
「セブルス、この者たちの処罰を決めるのはマクゴナガル先生じゃろう」

 と、ダンブルドア校長は静かに言った。

「三人は、マクゴナガル先生の寮の生徒じゃから、彼女の責任じゃ」

 ダンブルドア校長は、「美味しそうなカスタード・タルトを一口食べたい」と言って、スネイプ先生を連れて部屋を出て行った。部屋を出て行く時の、三人を毒々しい目付きに、ミラはわずかに口角をあげ、完全に部屋から出ていくのを見届けた。


「----先生、僕の妹は…その…グリフィンドールですか?」

 ロンはそわそわした様子で尋ねた。

「あなたの妹もグリフィンドールです」
「ああ、よかった」
「グリフィンドールといえば----」

 マクゴナガル先生の声が厳しい声になりかけた時、ハリーはそれを遮った。

「先生、僕たちが車に乗ったときは、まだ新学期ははじまっていなかったのですから、ですから----あの、グリフィンドールは、減点されないはずですよね。違いますか?」

 と、言い終えて、ハリーは心配そうに、先生の顔色を伺った。新学期早々にまた百五十点の減点などあれば、今度こそグリフィンドール寮生全員から八つ裂きにされかねない。

 マクゴガナル先生は射るような目でハリーを見たが、ミラは先生が僅かに微笑をもらしそうになったを見逃さなかった。口の真一文字が、ほんの少し緩んだ気がしたからだ。
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