第4章 9と3/4番線
「きみ、ほんとにハリー・ポッターなの?」
と、ロンが言った。ハリーは頷くと、ロンは更に傷のことを聞いた。ハリーは前髪をかき揚げで傷跡を見せると、ロンはそれをジーッと見て、『例のあの人』のことや、ハリーが緑の光意外覚えていないと言うと、すごく興味を示していた。
「サインが欲しいならさっさと聞いて出てけば」
ロンはビックリしたようにミラを見て「違うよ!」と声を上げて反論した。どうだか、とミラはロンをチラリと見て、窓の外を見た。
「僕、本当にサインなんて欲しくない!ただ本当にここしか空いてなくて…」
「ふーん」
「ミラ、僕なら大丈夫だ」
至って普通にしているハリーを、ミラは眉を顰めて見た。ハリーのエメラルドグリーンの瞳をジッと見つめていると、ミラは肩の力を少し抜いた。
「本当に?」
「うん、本当だよ」
「…ハリーが言うなら…」
ミラはハリーからロンに向き直った。
「ごめん、てっきりハリーが有名だからお近づきになりたいのかと思った」
「ロン、ミラは僕を心配してくれただけなんだ」
「えーっと…うん、僕も色々聞いてごめん」
ミラとロンは気まずそうに目を逸らしあったのを、ハリーは苦笑いして見ていた。
そこでハリーは話題をロンに当て、ロンの一家は由緒正しい『魔法使いの旧家』だと言うことがわかり、ハリーはロンに同じくらいの興味を示していた。ミラもハリーたちの話を聞きながら、話題はマグルの話になった。
「君はマグルと暮らしてたって聞いたよ、どんな感じなの?」
「酷いもんさ。みんながそうって訳じゃないけど」
「あー…君も?」
ロンはミラに気まずそうに質問した。
「わたしは孤児院出身で、ハリーと同じマグル学校に通ってた。わたしのところもハリーと似たり寄ったりって感じ」
「僕も君みたいな魔法使いの兄弟が三人もいればいいのに」
「五人だよ、僕で六人目なんだ」
曇った顔をしたロンは、兄弟たちみんなが優秀であり、親に期待される分、兄弟たちがすでにやったことを自分も同じことしただけだとやるせなそうだった。