第24章 車通学
「違います、先生。キングズ・クロス駅の壁のせいで、あれが----」
「黙れ!」
スネイプ先生は冷たくハリーの言葉を遮った。
「あの車はどう片付けた?」
ロンが息を飲み込んだ。スネイプ先生は夕刊預言者新聞を広げた。
「お前たちは見られていた」と、スネイプ先生は新聞の見出しを示しながら、押し殺した声で言った。
「空飛ぶフォード・アングリア、怪しむマグル」
スネイプ先生は新聞を読み上げると、どうやら六、七人のマグルに見られてしまっていたことがわかった。
「たしか、君の父親は『マグル製品不正使用取締局』に勤務していたな?」
と、言ったスネイプ先生は、顔を上げてロンに向かって一段と意地悪く笑った。
「なんと、なんと----捕らえてみれば我が子なり----」
こればかりはミラも焦りを感じた。あの車に魔法をかけたのがアーサーだと誰かにバレれば…そこまで考え付かなかったことに今更後悔しても遅かった。
「更に、校庭を調べたところ、お前たちが生まれる前からある非常に貴重な『暴れ柳』が、そうとな被害を受けたようである」
「お言葉ですが、先生…あの気より、僕たちの方がもっと被害を受けました----」
「黙らんか!」
スネイプ先生は、ロンを一喝した。
「まことに残念なのだが、お前たちは私の寮ではないので、三人の退校処分は私の決定するところではない。これからその幸運な決定権を持つ人物たちを連れて来る。三人とも、ここで待つように」
そう言うと、スネイプ先生は部屋から出て行ってしまった。
ミラはハリーとロンの顔を見ると、二人とも同じくらい青白い顔をしていた。もしスネイプ先生が、マクゴナガル先生を連れてきたとしても、非常に厳格な先生であり、スネイプ先生より公正だったとしても、状況はあまり変わらないだろうと覚悟した。
もしマクゴナガル先生だったら----ミラは焦りを感じた。真夜中に寮を抜け出した時の、先生の怒り、そして失望がありありと思いだせれた。
十分後、スネイプ先生がマクゴナガル先生を連れてきた。