第23章 秘密の交換日記
その日のランチの後、いつもならハリー達と外でクィディッチをしたりするのだが、ミラはジニーが部屋に戻るのを確認すると、みんなに断りを入れてジニーの後を追った。
部屋に入るまにノックをして中に入ると、ジニーが机の上にあるものを急いで腕で覆い隠すように慌てていた。
「今日も外で遊ばないのかい?」
「う、うん…ちょっと忙しくて」
「ふーん」
ミラは意味ありげに、ニヤニヤしながらジニーに近付いた。顔は赤くなかったが、ハリーと目があった時みたいにジニーの視線はあちこちに飛んでいた。
「『日記』を書くことがそんなに?いつも何を書いているの?」
「大したことじゃないわ…気になったこととか…」
「気になるものねぇ」
ジリジリとジニーを追い詰めるように、ミラはゆっくりとジニーに近付いた。ジニーも意地悪そうな目をしているミラに内心緊張し、ますますミラと目を合わさないように日記に覆い被さった。
ミラはジニーの背後に来ると、椅子の背もたれに手をついた。
「ジニーの気になることって、ハリーのこと?----それともトムに夢中になっちゃった?」
「見たの!?」
慌てて振り向いたジニーの顔は真っ赤になっており、髪の色とそう変わらなかった。
「見たってよりか、調べただけさ。ジニーがハリーより夢中になってたし、様子がおかしいって思って…勝手に見たのは謝るよ」
「と、トムは…何か言ってた?」
よほど日記の内容を見られたくなかったのか、ジニーは涙目でミラを見上げた。流石に泣きそうなジニーを見て、ミラは慌てて首を振った。
「何も!プライバシーに関わるからって教えてくれなかったよ」
と、ミラが言うと、ジニーはホッと安心した様子を見せた。
「酷いわ、ミラ…勝手に見るなんて」
「ごめんって、ジニー…ちょっと心配だったんだ…まだ誰にも言ってないから…」
「…本当?」
「本当さ!変な『日記』だけど、変な感じもしなかったし…それに勉強も教えてくれるみたいだから…私もちょっと…時々でいいんだけど…使いたいなって」
「ダメかな?」と、ミラはジニーに尋ねた。