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【HP】怪鳥の子

第4章 9と3/4番線


 二人は急いで後ろを振り返ると、四人の燃えるような赤毛の男の子たちに話しかけるふっくらしたおばさんがいた。みんなが二人と同じようなトランクと、1羽のフクロウが居た。
 ハリーとミラは顔を見合わせると、どちらも嬉しそうな顔をして、その家族の後を追いかけた。

 しかし、三人の少年たちが突然姿を消してしまい、ミラはハリーを見ると、ハリーは意を決してふっくらしたおばさんに話しかけた。

「すいません」
「あら、こんにちは。ホグワーツは初めて?ロンもそうなのよ」

 おばさんは一番下だと思われる男の子を指さした。背が高く、痩せていて、ひょろっとした、そばかすだらけの高い鼻に、大きな手足の男の子だった。
 そして『9』番線と『10』番線の間の壁に向かって真っ直ぐ歩けばいいと、おばさんは優しく教えてくれた。

 まずはハリーから行った。ミラは後ろから不安そうにハリーを見つめると、壁に吸い込まれるようにしてハリーは消えてしまった。

「さぁ、あなたもお先に」

 おばさんに促されて、ミラはフーッと息を一息吐いて壁に向かってカートを押し出した。どんどん近づく壁に心臓がドキドキして、あと一歩でぶつかりそうになるというところで、目を瞑った。

 壁にぶつかったような衝撃はなく、自分は壁の先をずっと歩いていた。「あれ?」と思って目を開けると、鮮やかな紅い色の蒸気機関車が、乗客でごったがえすプラットフォームに停車していた。

「ミラ!僕たち『9と3/4番線』に来たんだ!」
「…すごい」

 すぐ近くで待っていてくれたハリーの後に続き、人で溢れかえったプラットフォームを歩いた。空いているコンパートメントを探していると、結局最後尾の車両近くに空きを見つけた。
 ハリーは列車の戸口の階段から重いトランクを押し上げようとしたが、トランクの片側さえ持ち上がらず、二回も足の上に落としていたので、ミラはこっそり笑った。

「手伝おうか?」
「うん、お願い」
「おい、フレッド!こっち来て手伝えよ!」

 憤っていたハリーを見かねてか、先に改札口を通った赤毛の双子の一人が声をかけてくれた。

「オッケー、ジョージ!お嬢さん、君のトランクも一緒かい?」
「え…あ、うん、お願いしてもいい?」
「もちろん!」

 フレッドは軽々とトランクを持ち上げた。
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