第22章 予期せぬ再会
ハグリッドが二人を引き離すと、アーサーは唇の片方を切っていた。ルシウスの片目には、本がぶつかったのか、跡がついていた。どこか見覚えのある風景だと、ミラは思った。
「ほら、お前の本だ----お前の父親にしてみればこれが精一杯だろう----」
ジニーの古本をまだ持っていたルシウスが、ジニーの目の前に突き出しながら捨て台詞を吐いた。震えているジニーの代わりに、ジニーを抱きしめていたミラがそれを受け取った。
悪意がこもっていそうな目のルシウスを、ミラはジッと見つめた。
ハグリッドの手を振り解いて、ドラコに目で合図をすると、マルフォイ親子はサッと書店から出て行ってしまった。
「アーサー、あいつのことはほっとかんかい。骨の髄まで腐っとる。家族全員がそうだ。みんな知ってる。マルフォイ家のやつらの言うことは、聞く価値がねえ。そろって根性曲りだ。そうなんだ。さあ、みんな----さっさと出んかい」
ハグリッドにそう言われて、みんなは書店から出ることとなった。外にでえると、ハーマイオニーの両親は恐ろしさで震えていたし、モリーは怒りで震えていた。
みんなで『漏れ鍋』に向かうと、そこの暖炉から『隠れ穴』に戻ることになっていた。ハーマイオニーたちは裏側のマグルの世界に戻るので、別れの言葉を言い合った。
「会えてよかったよ、ハーマイオニー。新学期になったら、またおすすめの呪文を教えて」
「もちろんよ!帰ったら新しい教科書全部に目を通すわ!」
「ロックハートのは読みすぎないように」
「ミラったら!」
ハーマイオニーは冗談だと思ったようだが、ミラは顔を引き攣らせた。
そしてハリーが煙突飛行粉を摘んだ時、「はっきり発音」と、みんなが心配そうにハリーを見て言ったのだった。