第22章 予期せぬ再開
(どうして次から次へと----)
ダイアゴン横丁は入学前に来た時と何一つ変わっていなかった。ミラは必死にハリーを探しながら、大通りの人混みを避けながら走っていた。
「ハリー!」
トラブル続きのハリーに、もはや感心すら覚えそうだと思った。いくつもの横道を確認して、ハリーと声をあげるミラに人々はチラッとみるだけで、誰も声をかけようとしなかった。
どの通りにもハリーの姿が見えず、むしろダイアゴン横丁の横道は複雑に入り組んでいて、予想より困難な状況なんじゃないかとミラはだんだん不安になってきた。
「っ!!」
そこへ、ちょうど横道から急に出てきた人に、ミラは走る勢いを止められずにぶつかってしまった。ぶつかった相手は大人で、ミラは後ろへ勢いよく転けた。
「いっ…た……ごめんなさい、前をよく見ていなく、て…」
ミラは顔を上げてぶつかった相手を見上げると、相手も驚いたようにミラを見ていた。血の気のない顔に尖った顎に、二つの灰色の目、そして後ろに流した長いプラチナブロンドは、憎たらしい誰かを思い出させた。
「父上、大丈夫ですか?」
そしてそのよく知った顔の少年が、ぶつかった男の後ろから出てきた。
「…グローヴァー?」
「ドラコ…」
一体誰がぶつかったのだろうと、冷たい目をしていたドラコは、ぶつかった相手がミラだとわかると、驚いた顔をしていた。ミラはドラコと、その横に立っている男があまりにもそっくりなので、すぐに親子だとわかった。
「ここで何をしている?…ポッターはいないのか?」
「別に…いつも一緒ってわけじゃない」
ハリーが煙突飛行粉に失敗したとドラコが知れば、彼はたちまちいろんなスリザリン生に話してからかうだろうと簡単に予想できた。
「見捨てられたか?」
嘲笑うように言ったドラコに、ミラはキッと睨み上げた。
「やめないか、ドラコ」
しかし予想に反してその会話に入ってきたのは、ドラコの父と思われる男だった。ドラコは嘲笑うのをやめ、静かに黙り込んだ。男はまだ地面に座り込んでいるミラに、手を差し出した。
「怪我はしていないか?」
「…大丈夫です」
ミラはその手を取らずに立ち上がった。