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【HP】怪鳥の子

第20章 隠れ穴にご招待


「その飛ばすつもりのない車で、あなたの息子たちが昨夜ハリーとミラを迎えに行ったんです!」

「ハリー?ミラ?」

 アーサーはようやく自分の周りに座っている子供たちを見回した。その中に、クシャクシャの髪の毛にメガネをかけているハリーと、サラサラの髪の毛に愛想良く笑っているミラを見つけた。

「なんとまぁ、ハリー・ポッターに…君がミラだね。ロンからいつも君たちのことを----」
「アーサー!何かおっしゃりたいことはありませんの、え?」

 今朝もあんなに怒っていたのに、モリーは怒り足りなかったのか、アーサーを咎めるような目で見ていた。

「やったのか?」

 アーサーはとても興味津々に、子供たちを見た。

「うまく行ったのか?つ、つまり----ゴホン、そ、それはいかん!お前たち、絶対にだめだ----」

 火花が飛び散りそうなモリーの視線を見たアーサーは、慌てて咳払いをして誤魔化した。怒りが収まらなさそうなモリーを見ていると、ロンがいつの間にか席を立ち、ハリーとミラの後ろに来ていた。

「いつもああなんだ、父さんと母さん。僕の寝室見せてあげるから来て」


 三人は台所から抜け出すと、ロンの部屋に向かった。狭い廊下を通り、凸凹の階段を登っていると、3番目の踊り場の扉が半開きになっていた。その部屋から、明るい茶色の目が二つ、ハリーを見つめていた。

 ハリーがチラッと見るか見ない内に、扉は閉まっていた。

「ジニーだよ。いつもならもっとお喋りなのに、なんか変なんだよ----あ、ミラ。多分君は妹の部屋で寝ると思うから」
「うん、わかった」

 ミラは通り過ぎたジニーの部屋に一度目を向けると、先に行ったロンとハリーの後を追いかけた。
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