第19章 憂鬱な夏休み【秘密の部屋編】
「次ダイアゴン横丁に行ったら、もっと良いものあげる。今はこれで許して」
ミラは少し申し訳なさそうに言った。
「何を言ってるんだい、ミラ。最高のプレゼントだよ!」
「今食べてもいい?」とハリーが聞くと、ミラは頷いた。あっという間にお菓子を食べてしまったハリーの様子を見たミラは、ハリーが相当お腹を空かせていることがわかった。聞かずとも、ハリーがお昼ご飯を抜かれていることを悟った。
「君へのプレゼントがあるんだけど----今持ってこられそうにないんだ」
「わかってる、前に言ってたあの馬鹿げた接待パーティだよね」
ハリーはうんざりした様子でため息をついた。どこかの金持ちの建築業者が、奥さんを連れて夕食にやってくるらしい。
「そんなに心配なら、外食でもしたらいいのに」
「本当にそうだよ----伯母さんに見つかる前に、僕は戻るよ」
「うん、わかった」
「カードありがとう。あとで大事に読むよ」
ハリーは嬉しそうにカードを持って微笑んだ。ミラも来た道を戻り、時々後ろを振り返ってハリーを心配した。
(大嫌いだ、マグルなんか----夏休みなんて早く終わればいいのに)