第18章 夏の知らせ
広間に来たのはハリーだった。騒がしかった広間が突然静かになったが、すぐにまた大声で話しだした。ハリーは自分のことを話している生徒達のことを気にしないようにしながら、ミラとロンの間に座り込んだ。
ハリーが座ったと同時ぐらいに、ダンブルドアが現れて、広間はまた静かになった。
「また一年が過ぎた!」と、ダンブルドアが陽気に話し出した。
「一同、ご馳走にかぶりつく前に、老いぼれのたわごとをお聞き願おう。何という一年だったろう!君たちの頭も以前に比べて少しは何かが詰まっていれば良いのだが----新学年を迎える前に君たちの頭がきれいさっぱり空っぽになる夏休みがやって来る」
ダンブルドアは広間に居る生徒達を一度見渡した。
「それでは、ここで寮対抗杯の表彰を行なうことにする、点数は次のとおりじゃ----四位グリフィンドール二六二点----三位ハッフルパフ三五二点----レイブンクローは四二六点----そしてスリザリン四七二点」
スリザリンのテーブルから、嵐のような歓声と足を踏み鳴らす音が起こった。ドラコの方を見ると、ゴブレットでテーブルを叩いて居るところが見え、ハリーとロンが胸糞悪いものを見たと、大きな溜息をついていた。
「よし、よし、スリザリン。良くやった!しかし、つい最近の出来事も得点に加算しなくてはならんだろう」
そうダンブルドアが言うと、騒がしかった広間が静まり返った。スリザリン寮生の誰一人として笑ってはいなかった。
「えへん、駆け込みの点数をいくつか与えよう。えーと、そうそう----まず最初は、ロナルド・ウィーズリー君」
名前を呼ばれたロンの顔は真っ赤になった、まるで日焼けをした赤かぶだと思うくらい。
「この何年間、ホグワーツで見ることが出来なかったような、最高のチェス・ゲームを見せてくれたことを称え、グリフィンドールに五十点を与える」
グリフィンドールの歓声は、魔法をかけられた天井を吹き飛ばしかねないくらいに大きなものが上がった。