第18章 夏の知らせ
次の日、夕飯の時間近くになってもグリフィンドールの寮にハリーが現れることはなかった。「パーティが始まる前には来るさ」と、ロンは呑気に言った。
三人は大広間に向かうと、広間はグリーンとシルバーのスリザリン・カラーで飾られていて、スリザリンのヘビを描いた巨大な横断幕が、上座の後ろの壁を覆っていた。今年で7連連続だと、スリザリン生のテーブルから声が聞こえてきた。
ミラはスリザリン生のいるテーブルを生徒を順番に見ていくと、よく目立つプラチナブロンドの髪の毛を見つけた。しばらくドラコを見ていると、たまたまこっちを見たであろうドラコと目が合った。
「ねぇ、ミラってそんなに髪の毛がサラサラだった?」
斜め向かいに座っていたパーバティに声をかけられ、ドラコからパーバティの方を向いた。
「わたしも気になってたの!シャンプー変えた?」
パーバティの隣に座っていたラベンダーも興味津々でミラを見ていた。髪が長いときは、ハーマイオニーが丁寧に梳かしてくれたおかげもあり、結べば広がることもなくよかった。今の短い髪はハリーほどグシャグシャではないが、先が跳ね、時々寝癖が直らないことが時々あった。
同じ部屋でもあり、流行り物が好きそうなパーバティとラベンダーはすぐに気が付いていた。
「----さぁ、どうだったかな。最近は髪の機嫌がいいのかも」
ミラはそっけなく返すと、またドラコの方を見た。ドラコは上級生達と何か楽しそう会話をしているところだった。
「あのブラシでしょ?」と、隣に座っていたハーマイオニーが言った。ハーマイオニーを見ると、「わたしの目はごまかせないわよ」と物語っていた。パーバティとラベンダーには聞こえていなかったのか、二人で仲良く何か話し込んでいた。
「誰かがお見舞いに送ってくれたんでしょ?」
「さすがハーマイオニー」
「誰からなの?」
「んー…それが、名前がなくてわからないんだ。でもせっかくもらったんだから、使っちゃえって」
「大丈夫なの、それ?」
心配そうにハーマイオニーが聞いてきた。
「大丈夫だと思う----多分お詫びだから」
フッとミラは笑うと、広間のドアが開く音が聞こえて、みんなの視線がそっちへ向いた。