第3章 ダイアゴン横丁
ハグリットに新たなアイスクリームを買ってもらったミラは、次に羊皮紙と羽根ペンのお店に寄った。ハリーが『クィディッチ』についてハグリットに聞いていて、ミラも羽根ペンから顔を上げた。
「なんと、ハリー、ミラ。 おまえさんらが何も知らんということを忘れとった!『クィディッチ』を知らんとは!」
ハリーとミラは『クィディッチ』が魔法族のスポーツだということがわかった。ルールの説明は複雑らしく、ハグリットは困ったような顔をしていた。ハリーは次に寮の名前を聞いていて、ハッフルパフは劣等生が多いと言われるが、優しい性格の人が多いとハグリットは言った。
そしてスリザリンは悪の道に走った魔法使いや魔女が多いということがわかった。ドラコのあの性格と態度なら、絶対スリザリンだろうとミラは密かに思った。
次に教科書を買うために『フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店』へ足を運んだ。ハリーはダドリーにかける呪いの本を手にしており、ミラも相手を動物に変える呪いの本に夢中になった。
本に夢中な二人を、ハグリットは引きずるようにして店を出るのに苦労した。
・・・・・
杖のお店に行く前に、ハグリットはハリーの誕生日祝いにフクロウを買うために、『イーロップふくろう百貨店』にやってきた。ハリーは雪のように白くて美しいフクロウを選び、微笑ましく籠にいるフクロウを見ていた。
そしてミラは白、茶色、グレーの色が混じったミミズクの籠を照れ臭そうに持っていた。
「ハグリット…私の分もありがとう」
「いいってこった!お前さんにもなんかやらなあかんとおもちょった」
「…大事にするよ、このフクロウ」
「ああ、そうしてやってくれ」
照れているミラは目を忙しなくあちこちにやっていた。ハリーはミラの珍しい姿を見てクスクス笑った。
「そうだ、ハグリット。私学校からのお金をもらってて…でも金庫にいっぱいお金があったから、これは返すよ」
ハリーに笑われていることに少しムッとしながら、ミラは思い出したようにカバンから今朝マクゴナガルから受け取ったお金の袋をハグリットに渡した。少しだけ軽くなった鞄に、ミラはホッと息をついた。