第3章 ダイアゴン横丁
「ハッフルパフに入れられたら僕は退学するね。レイブンクローも悪くないけど、あいつらは知性ばっかり優先する奴らだ。あと、ありえないけどグリフィンドールもオススメしないね。勇気だけが取り柄なバカの集まりだ」
「へぇ、あなたってすごく詳しいんだ」
少しわざとらしいかと思ったが、ドラコは気分が良さそうに見えた。
「まぁね。君もスリザリンに来たら僕が色々教えてあげるよ」
「うん、わかった。スリザリンね…あ、そういえばここに来る前に箒に群がってた男の子たちがいたけど、何か知ってる?」
「今年出た新型の箒さ!この後父上に買ってもらうつもりだ」
ずっと気取った言い方のドラコが、箒の話になると顔色を変えて語り出した。途中『クィディッチ』という単語が出たが、ミラはとにかく頷いてドラコの話を聞いた。
「私まだ箒に触らせてもらってなくて…もしよかった今度コツとか教えてくれる?」
「もちろんさ」
そこでちょうど二人の採寸が終わった。二人は踏台から飛び降りると、改めて向き合った。ミラはドラコが自分より少し背が低いのに気が付いた。
「退屈だと思ったけど、あなたがいてくれてよかった」
「君も話がわかってくれそうで悪くなかった」
自然と手を差し出され、ミラはドキッとしたが、不慣れなところは見せれないと、その手を握った。
「ホグワーツで会おう」
「うん、箒楽しみにしてる」
ミラはふんわり笑い、マダム・マルキンのお店を後にした。外で待ってたハリーとハグリットは、ドロドロに溶けたアイスを必死に食べていて、少し間抜けた二人にミラはお腹を抱えて笑った。
「二人して何してるのー?」
「すまねぇ、まさかこんなに採寸に時間がかかるとは思ってなかった!オメェのアイスは買い直してやっからな」
「ミラあいつと何話してたんだい?嫌なやつじゃなかった?」
申し訳ないと思ってるハグリットと違い、ハリーは心底嫌そうな顔でドラコのことを言った。ミラはクスクス笑いながら、お店の中で話したことをハリーに話した。
「僕、君のそういうところ、すごいと思うよ、いつも」
「お褒めの言葉ありがとうございます、ハリー殿」
「褒めた訳じゃないよ」
ミラは仰々しくハリーのお礼を述べると、ハリーの顰めっ面に、ケラケラと笑った。