第15章 別れの言葉
ミラは目を開けると、そこがグリフィンドールの女子部屋でないことに気が付いた。ゆっくりと身を起こすと、そこが医務室のベッドであることがわかった。
ぼんやりとしていると、そこへマダム・ポンフリーがベッドのカーテンを容赦なく開けた。様子を見にきたと思うが、起きていたミラに一瞬驚きつつも、目を覚ましていた事にホッとした様子が見てとれた。
「おはようございます、ミス・グローヴァー。目が覚めてよかったです」
「…おはようございます」
ミラは居心地悪そうに、何故自分がここで寝ているのか尋ねた。
「昨晩ハグリッドと同じ罰則を受けた子供達が来ました。貴方が突然倒れたって言って大声で」
マダム・ポンフリーはそのことを思い出したのか、少し怒ったような口調だった。
「特に悪いところはみられませんでした、--罰則も程々のものにしていただきたいものです」
「はぁ」、とミラは気のない返事をした。ベッドの下に置かれていた靴を履くと、長居することなく医務室を後にした。
いつもより朝食の時間には早かったが、談話室に一度戻って、また広間へ降りてくるのも面倒だと思い、いつもより少し静かな一階の廊下を、広間を目指して向かった。
ぼんやり朝食をとっていると、大勢の生徒たちがやってきた。グリフィンドール生達は先に座っているミラを見かけると、まるで見えないように振る舞って前の席の方へ向かっていった。
特にミラは気にすることはなく、ハリーとハーマイオニーが来るのを待っていた。
「お、おはよう!」
意外にも声をかけてきたのはネビルだった。ミラも挨拶を返すと、ネビルはミラの前に座った。
「----私といると、悪口言われるから違う所へ行けば」
「へ、平気だよ!それにミラはぼくを庇ったから罰則だって受けさせられて…き、昨日は『森』に行ったって…」
ミラは冷たくネビルに接したが、ネビルには全く効いていないのか、心配そうな視線を送ってきた。