第14章 禁じられた森
ハグリッドが来た道を戻っていると、ランプを持ったハリーとハーマイオニーが小さく縮こまっているようにしているのが見えた。ハグリッドの存在に気が付いた二人は、ハグリッドの横から出てきたミラを見てホッと息をついた。
「ミラ!何かあったのかい?怪我は?マルフォイに何かされた?」
ハリーはミラにすぐに駆け寄った。ハーマイオニーもハリーの後に続いて心配の声をかけた。ドラコは心外だとばかりにハリーを睨んでいた。ハリーもドラコを睨み付けた。
「大丈夫だよ、二人とも。ちょっとユニコーンの血が見当たらなくて困ってただけさ!」
「それならいいわ…わたしたち、さっきケンタウロスに会ったのよ」
「へぇ、本当に下半分は馬なの?」
「ええ、とても大きかったわ」
睨み合っている二人は放っておき、ミラはハーマイオニーと情報を交換した。
「みんな、話し込んどるとこ悪いが、先に進むぞ」
ハグリッドに促されると、四人はまた後に続いた。しばらく歩いていると、また二手に別れることになった。
「ミラはこっちの道を頼む。マルフォイと一緒でええな?」
「うん、大丈夫」
不思議と最初より暗くて静かな森がそれほど怖いとは思わなかった。ドラコとは一応仲直りをしたせいなのか、この森の静けさと暗さに慣れてしまったのかは分からないが、ミラはドラコを見て頷いた。
ドラコも仕方ないなと言った様子を見せていたが、満更でもないようにも見えた。
「待って、ハグリッド!ぼくもミラ達と行くよ!」
ハリーがハグリッドの前に出て言った。
「ええぞ、三人いれば心強かろう」
「ハーマイオニーはどうする?」
「わたしはハグリッドといるわ…気をつけてね、二人とも」
ハグリッドとハーマイオニーが別の道に進んでいくと、三人と一匹も別の道へと進んだ。