第14章 禁じられた森
マクゴナガル先生に150点の減点と、罰則を受けた三人は部屋に戻るまで誰一人喋ることはなかった。ハリーはあまりの大きな減点にショックを受けているようだったし、ハーマイオニーも減点もそうだが、マクゴナガル先生からのお言葉に沈んでいるようだった。
ミラは得点よりも、ハーマイオニーと同じく、マクゴナガル先生に叱られた事で静かにならざるを得なかった。夢遊病でと、咄嗟についた嘘だったが、まさかハリーとハーマイオニーが先に見つかっていた事で状況が悪くなった。
何も言わなくても、マクゴナガル先生はミラがハリー達といつも一緒にいることから、自分もよからぬことをしていたと思ったに違いない。
深夜もとっくに過ぎていて、あと数時間もすれば他の生徒達も起きてくるだろうと思うと、減点について何を言われるか、ハリーとハーマイオニーはますます暗くなった。
談話室に着くと、ネビルがソファーから飛び上がって近付いてきた。
「ハリー!ミラ!ハーマイオニー…だ、大丈夫だった?」
「ごめん、ネビル…ぼく、ちょっと話す気分じゃないんだ」
「ごめんなさい、ネビル…」
ハリーとハーマイオニーはネビルの横をすり抜けて、各々の部屋に戻って行った。何かあったに違いないと感じたネビルは、ハーマイオニーに着いていかなかったミラを見た。
「ミラ、その…ぼくを庇って…ご、ごめんよ、ぼくがノロマなばっかりに…」
ネビルはオドオドしていた。
「あれは…誰かが見つかっていなきゃどっちも見つかってたと思う…だからそれほど気にしなくてもいいよ」
「でも…ハリー達の様子がおかしかったよ…」
「…明日になればわかる…けど、そのことで二人を咎めないであげて」
「うん…わかった」
「じゃ、おやすみ」
「おやすみ、ミラ…」
ミラも部屋に戻る時、ハーマイオニーのベッドをチラリと見た。特に何も聞こえなかったが、きっとまだ起きていると思った。ミラも着替えてベッドに横になると、怒った顔のマクゴナガル先生を思い出して、ミラは大きなため息をこぼした。
マクゴナガル先生だけには、がっかりさせたくなったな----ついこの間、自分の髪と瞳を褒めてくれた先生が遠い過去のように思えた。