第13章 ノルウェー・ドラゴンのノーバート
談話室に引き返していると、談話室へ向かう先から誰かが歩いている音が聞こえた。そして仄かに明るい光も見えた。
(----しまった!!)
ミラは慌ててネビルを飾ってあった銅像の後ろへ押し込んだ。突然のことに驚いたネビルが「え!何!」と声を上げた。
「シッ!ここからはあなた一人で戻って----何があっても出ちゃダメだ」
ミラの真剣な顔に、ネビルはブルブル震えながら頷いた。銅像はどう見ても人一人が隠れるので精一杯だった。
「そこにいるのは誰ですか!」
眩しい光を向けられて、ミラは目を細めた。銅像から離れて、自分の姿を現した。どうかネビルの存在には気が付きませんように---。
「----ミス・グローヴァー、こんな時間に何をしているのですか!」
声の主は、なんとマクゴナガル先生だった。
「マクゴナガル先生…実はわたし、時々夢遊病で…」
マクゴナガル先生のいつもの厳しい顔が、輪をかけて厳しい顔をしていた。ミラはバクバクと心臓が嫌に変な音を立てている気がした。冷や汗も酷い。どうやら嘘だとバレてしまったらしい。
「貴方といい、ミスター・マルフォイいい、こんな時間にベッドを抜け出して!着いて来なさい、ちゃんとお話しする必要があります」
怒っているマクゴナガル先生の後に着いて行った。チラリとネビルの隠れている銅像を見ると、ネビルが心配そうにこちらを見ていた。
マクゴナガル先生の部屋へ連れて行かれると、最悪の状況が目に飛び込んできた。なんとハリーとハーマイオニーが先に部屋の中にいるのだから!二人もビックリしてミラを見ていたが、マクゴナガル先生にバレないように頷いて見せた。
一体ハリー達に何が起きたのか分からなかったが、良くない予感はした。何故なら、こんない怒っているマクゴナガル先生を見たことがないからだ。
そしてその晩、グリフィンドールから150点の減点を言い渡されたハリー、ミラ、ハーマイオニーは、顔を真っ青にさせるには十分だった。