第13章 ノルウェー・ドラゴンのノーバート
「そ、そりゃ----俺もずっと飼っておけんぐらいのことはわかってる。だけど放っぽり出すなんてことは出来ん。どうしても出来ん」
ハグリッドはノーバートとミラが遊んでいる様子を、潤んだ目で見つめていた。
その時突然、ハリーがロンに呼びかけた。
「チャーリー」
「ぼくはロンだよ、ハリー」
ロンはハリーまでもがイカれたのかと、疑いの目を向けた。
「違うよ、チャーリーだ----君のお兄さんだよ。ルーマニアでドラゴンの研究をしてるって言ってたよね?チャーリーにノーバートを預ければいいんだ!そうすれば、面倒を見て、自然に返してくれるはずだ!」
「名案だ!」
ロンはパッと表情を明るくした。
そしてやっとのことでハグリッドは、チャーリーならドラゴンを頼みたいというフクロウ便を送った。
ミラはハリー達とは違い、暗い顔でノーバートを見つめた。なんとなくではあるが、ミラはノーバートが自分を好いてくれている気がした。四人で小屋に入ると、ノーバートはいつも自分に向って駆けて来てくれるし、甘えた声で餌をねだったり、とにかくミラはノーバートといる時間が楽しくて仕方がなかった。
ハグリッドがダイアゴン横丁で買ってくれたフクロウのノクチュアも、ミラは眠たくなるまで彼女の頭を撫で続けたこともあった。
もちろん、ドラコがいつダンブルドア校長に告げ口をするかもしれないと思うと、安心はできない。ハグリッドが法律を犯していることは確かなのだから。でもミラは、チャーリーの手紙が届くのが、ほんの少し遅くなればいいのに…と、窓の外でフクロウを飛ばしているハグリッドたちを見て、そう思った。
「ノーバート…」
ミラは静かにノーバートの頭を撫でた。