第13章 ノルウェー・ドラゴンのノーバート
1時間後、ハグリッドの小屋へ尋ねに向かうと、驚いたことに全ての窓にカーテンが引かれていた。ハリーがドアをノックすると、「誰だ?」と、確かめてからドアを開けて、四人を中に入れるとすぐにドアを閉めた。
中は窒息しそうなほど暑かった。
「それで---そう、聞きたいことがあったんだったな」
「うん。フラッフィー以外に賢者の石を守ってるものは何か、ハグリッドに教えてもらおうと思って」
ハリーは単刀直入に聞いた。もちろんハグリッドは顰めっ面をしていた。
「もちろん、教えることはできん。第一、俺自身が知らん。第二に、お前さん達はもう知り過ぎている。だから俺が知っていたとしても言わん」
「でも石がこのホグワーツにあるのには、理由があるはずだよね?わたし達がグリンゴッツ銀行に行った次の日に盗まれそうになったから」
ミラは探るようにハグリッドを見て言った。ハグリッドは困った様にため息をついた。
「だいたい、お前さん達がフラッフィーのことをどうやって知っちまったかわからんなぁ」
四人はドラコと決闘するために、真夜中の学校を徘徊した過程で知ったとは、言えるはずもなかった。
「ねえ、ハグリッド。私たちに言いたくないだけでしょう。でも、絶対知ってるのよね。だって、ここで起きてることであなたが知らない事なんか無いんですもの」
と、ハーマイオニーは優しい声でおだてた。ハグリッドのヒゲがピクピク動いて、ヒゲの中の顔がニコリとしたのがわかると、ミラはさすがハーマイオニーだと称賛した。
「私たち、石が盗まれないように、誰が、どうやって守りを固めたのかなって考えてるだけなのよ。ダンブルドア校長が信頼して助けを借りるのは誰かしらね。あなた以外に」
最後の言葉を聞くと、ハグリッドはどこか誇らしげに見えた。ハリーとロンは、よくやったとハーマイオニーに目配せをした。
「まあ、それくらいなら言っても構わんだろ----そうだな、俺からフラッフィーを借りて、何人かの先生が魔法の罠をかけて----スプラウト先生、フリットウィック先生、マクゴナガル先生----」
と、ハグリッドは指を折って名前を挙げはじめた。
「それから、クィレル先生----もちろんダンブルドア校長もちょっと細工したし、待てよ、誰か忘れてるな。あぁ、スネイプ先生だ」
「スネイプだって?」