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【HP】怪鳥の子

第13章 ノルウェー・ドラゴンのノーバート


「いいか----後で小屋に来てくれや。ただし、教えるなんて約束は出来ん。ここでそんなことを喋りまくられちゃ困る。生徒が知ってるはずは無いんだ。俺が喋ったと思われるだろうが----」
「それじゃ、後で行くよ」

 と、ハリーが言った。ハグリッドはモゾモゾしながら出ていくと、四人の疑問はハグリッドは何を隠しているのか、だった。
 石に関係があるかもしれないという答えになると、ロンは勉強にうんざりしていたので、自分がハグリッドがいた書棚を見てくると素早い動きで行ってしまった。

 程なくしてロンがたくさんの本を抱えて戻ってきた。その本を机の上にどっさり置くと、本のタイトルに三人はギョッと目を大きく開いた。

「ドラゴンだよ!ハグリッドはドラゴンの本を探してたんだ!」

 ミラは『ブリテン島とアイルランドのドラゴンの種類:ドラゴンの飼い方、卵から焦熱地獄まで』を手に取って、パラパラと本をめくった。

「そういえば初めてハグリッドに会った時、ドラゴンを飼いたいって言ってたよ!」

 ハリーが思い出した様に言った。

「でも、僕たちの世界じゃ違法だよ。一七〇九年のワーロック法で、ドラゴン飼育は違法になったんだ、皆んな知ってる。もし家の裏庭でドラゴンを飼っていたら、どうしたってマグルがぼく達のことに気付くだろう----どっちみち、ドラゴンを手なずけるのは無理なんだ、狂暴だからね。チャーリーが、ルーマニアで野生のドラゴンにやられた火傷を見せてやりたいよ」

 ロンは苦々しく言った。

「だけど、まさか英国に野生のドラゴンなんて居ないんだろう?」
「もちろん居るよ」

 ミラは読んでいたドラゴンの本から顔を上げてロンとハリーの会話を聞いていた。

「ウェールズ・グリーン普通種とか、ヘブリディーズ・ブラック種とか。そいつらの存在の噂を揉み消すのに魔法省が苦労してるんだ。もしマグルが見つけたら、記憶を消さなくちゃいけないって決まりだ」
「魔法界も色々やることがあるんだね」
「それじゃあハグリッドは何をしようとしてるのかしら?」

 ますます深まる謎に、四人は私物をカバンに詰め込み、出してきた本を慌てて片付けて一度談話室に戻ることにした。
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