第12章 ニコラス・フラメル
その時、スタンドがドッと湧いた。
「ロン!ミラ!どこへ行ったの?試合終了よ!ハリーが勝った!私たちの勝ちよ!グリフィンドールが首位に立ったわ!」
ミラとロンは、ハーマイオニーが狂喜して椅子の上で飛び跳ねて踊り、前列に居たパーバティ・パチルに抱き付いているのが見えた。ミラも笑顔でロンを見ると、ロンも歓喜してミラに飛びついた。
「勝ったぞ!ぼく達首位になったんだ!」
「ロン!重いよ!でも、最高の気分だ!」
次々にグランドに降りていくグリフィンドールの選手達がハリーの肩を次々に叩いたり、飛びついたりしていた。ハリーも仲間たちに囲まれて、眩しい笑顔をしていた。
(もう名前だけ有名だって誰も言わないよ、ハリー!)
ミラとロンはハーマイオニーとネビルのところへ戻ると、ハーマイオニーが大はしゃぎでミラに抱きつきに来た。ロンとネビルはお互い鼻血を垂らしていることに笑った。
・・・・・
ミラ、ロン、ハーマイオニー、ネビルはまずマダム・ポンフリーのところへやってきた。ロンとネビルは鼻血は止まっているものの、念のためとハーマイオニーにせっつかれてやってきた。
「ミラは強いよ、あのゴイルを一発で地面に膝をつかせたんだ」
ネビルは渡された濡れたガーゼで、鼻についた血を取っていた。ロンとハーマイオニーはミラの方を勢いよく見たが、ミラはどこ吹く風で「口元にまだついてる」とネビルに指摘していた。
「にしてもマルフォイのやつ、ついに君にも酷いことを言い出したってのに、『人間のクズ』って言われてアイツ、悔しそうにしてたよ」
「そんな酷いことを言ってたの?」
「アイツ、ぼくの母さんが作ったミラのセーターを馬鹿にしやがって。それに親がいないとか…ミラがマグルの孤児院で真面に育ってないとか」
ハーマイオニーは信じられないと言った顔をしていた。
「まぁ、真面じゃないことは確かだよね」
ミラはヘラッと笑った。
それからロンとハーマイオニーは、ミラがいかに真面かを、ハリーが見つかるまで延々と話された。