第12章 ニコラス・フラメル
「あなたは--ちょっと意地悪なところがあるけど、人を故意に傷つけるような人じゃないわ!」
特にハーマイオニーの熱弁ぶりに、ミラは「もうわかったから」と、珍しく頬を赤らめて早歩きで廊下の前を歩いた。ネビルは鼻以外にも殴られたところの治療のため、医務室に残った。
グリフィンドールの談話室に向かっていると、途中でハリーを見つけることができた。ミラはロンとハーマイオニーから逃げるようにハリーに飛びついた。
「ハリー!探したよ!我らの偉大なシーカー様!」
「ハリーったら、いったいどこに居たのよ?」
ハーマイオニーがかん高い声を出して言った。
「ぼく達が勝った!きみの勝ちだ!ぼく達の勝ちだ!」
と、ロンがハリーの背中を叩きながら嬉しそうに言った。
「それに、ぼくはマルフォイの目に青あざを作ってやったし、ネビルなんか、クラッブとゴイルにたった一人で立ち向かったんだぜ!そしたらミラはゴイルをぶっ飛ばしたってネビルが言ってた----スリザリンに目にもの見せてやったんだ!」
ハリーはミラを見ると、ミラはぺろっと舌を見せた。
「みんな談話室で君を待ってるんだ。パーティをやってるんだよ。フレッドとジョージがケーキなんかを、キッチンから持ち出して来たんだ」
「みんな、ごめん、それどころじゃないんだ」
ハリーは深刻そうな顔で三人に言うと、三人はピタリと笑うのをやめた。
「どこか誰も居ない部屋を探そう。大変な話があるんだ----」
四人はすぐに空いている部屋に、ピーブスがいないか確認すると、素早くドアを閉めた。
「ぼく達は正しかったんだ。賢者の石だったんだ。それを手に入れるのを手伝えって、スネイプ先生がクィレル先生を脅していたんだ」
ハリーは試合が終わった後に、何故か禁じられた森に向かったスネイプ先生の後をこっそりつけたことを話した。新たにフラッフィー以外にも別のものが石を守っているということ。三人は静かにハリーの話を聞き終わると、ハーマイオニーが最初に口を開いた。
「それじゃ、賢者の石が安全なのは、クィレル先生がスネイプ先生に抵抗している間だけということになるの?」
「それじゃ、石はすぐ無くなってしまうよ。三日と持たないな」
と、ロンが言ったことにミラは素直に頷いた。