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【HP】怪鳥の子

第12章 ニコラス・フラメル


「何、それ?」

 ハリーとロンは首を傾げた。ミラもニコラス・フラメルが《賢者の石》を作った人物だと、ぼんやりわかるくらいだった。

「まったく、もう。三人とも本を読まないの?ほら、ここ---読んでみて」

 ハーマイオニーは呆れて三人を見たが、すぐに本をこちらに向けて寄越してくれたので、三人は顔を寄せて言われたところを読み始めた。
 そこには、錬金術とは《賢者の石》といわれる恐るべき力をもつ伝説の物質を創造することに関わる古代の学問ということ。いかなる金属をも黄金に変える力を持ち、飲めば、不老不死となる『命の水』の源ともなる。
 ニコラス・フラメルが所有しているものが現存する唯一の《石》であること。

「黄金に…命の水…っ!」

 本を読み終わると、ミラはぽつりと呟いた。

「ねっ?あの《犬》はフラメルの《賢者の石》を守っているのに違いないわ!
フラメルがダンブルドアに保管してくれって頼んだのよ。だって二人は友達だし、フラメルは誰かが狙っているっていうことを知っていたのよ。だから、グリンゴッツから《石》を移して欲しかったんだわ!」
「スネイプが狙うのも無理ないよ。誰だって欲しい!」
「どうりで『魔法界における最近の進歩に関する研究』には載ってなかったわけだ」

 と、ロンが言った。

「だって六六五歳じゃ最近とは言えないよな?」

 四人はようやく数ヶ月も探した答えにようやく辿り着き、その日の夜は興奮して眠れそうになかった。
 ミラはもうベッドに入っていたが、部屋に訪れに来たノクチュアを自分の膝の上に乗せ、優しく頭を撫でた。興奮した頭は中々治まってくれず、隣のベッドのハーマイオニーを見ると、ばっちり目が合ってしまった。

「眠れなくて困ったね」
「---だって、蛙チョコレートのカードから分かるなんて、想像できた?わたし達、相当ラッキーだわ!」

 ハーマイオニーは興奮した声を抑えて喋り出した。
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