第11章 みぞの鏡
クリスマスはハリーとミラにとって本当に素敵な1日だった。大広間では先生達が飾りつけた豪華な飾りや、出される食事は今まで食べたどの食事よりも美味しいと思った。
お昼になればハリーとウィーズリー家と混じって外で雪玉合戦をした。時間も忘れてあっという間に夕飯の時間になると、朝食よりも豪華になった夕飯にみんなは大騒ぎだった。
お腹いっぱいに食べて談話室でゆっくり暖をとっていると、段々眠気が強くなり、ミラは名残惜しくもみんなにおやすみと伝えて寝室に戻った。
幸せな気持ちで眠りにつき、ミラは明日もこうだったらいいのにと思った。
・・・・・
「起こしてくれればよかったのに」
ロンが不機嫌そうな顔でハリーに言った。
「そうだ、ハリー!なんで昨日その透明マントのことを教えてくれなかったの?」
ミラも不満そうにハリーに言うと、ハリーは「ごめん」と苦笑いするだけだった。
「今晩一緒に来ればいいよ。ぼく、また行くから。君に鏡を見せたいんだ」
「君のお母さんとお父さんに会いたいよ」
と、ロンは意気こんでいたが、ミラはどうしていいか分からず黙り込んだ。
「ぼくはきみの家族に会いたい。ウィーズリー家の人たちに会いたいよ。他のお兄さんとか、皆んなに会わせてくれるよね」
「いつだって会えるさ、今度の夏休みに家に来ればいいよ。もしかしたら、その鏡は亡くなった人だけを見せるのかもしれないな」
「で、でもフラメルを見つけられなかったのは残念だ」
ミラはぎこちなく会話に参加した。
「今日こそみんなで図書館に…って、ハリー、何も食べてないけど…大丈夫?」
ミラはハリーが全然食事をとっていなことに気がついてびっくりした。ハリーは両親に会えた。そして、今晩もまた会えることを考えているのか、ボゥっと遠くを見つめている目を見てミラとロンは顔を見合わせた。
「ちょっとおかしくないか?」
「うん…ちょっとどころじゃないかも」
ミラは今のハリーには何を言っても聞かないだろうと、心配そうに見つめた。そしてその鏡のところへついていかなければならないと感じた。