第11章 みぞの鏡
クリスマス・イブの夜、ハリーとミラは明日の美味しいご馳走と楽しい催しを楽しみにしてベッドに入った。
翌朝、早く目が覚めてしまい、ガウンを羽織って談話室に向かおうとすると、ベッドの足元に置かれたプレゼントの山にミラは数秒考え込んだ。
一つ目はハーマイオニーからので、中には素敵なクリスマスカードと、エメラルド色の綺麗なバレッタが入っていた。
二つ目はハグリッドからで、荒削りされたフクロウの木彫りだった。すぐにミラはこれがハグリッドの手作りだと気付き、それを窓際に置いて飾った。
三つ目はマクゴナガル先生からだった。綺麗な包みの中から出てきたのは『変身術の基礎、そして応用』と書かれた本が出てきた。ミラはポッと頬に赤みがさした。
そして手紙には『貴方が変身術に対して熱心であり、勤勉であること、これからも期待しています。』と、綺麗な字で書かれていた。どうやら自分が図書館で変身術について勉強していることは、マクゴナガル先生はすで知っていたようだ。
ミラはその本をギュッと抱きしめて、早く読みたいなとワクワクした気持ちと、フワフワする幸せな気持ちでいっぱいになった。
そして四つ目は大きくてもっこりした包みだった。なんだろうと包みを開くと、中からは分厚い手編みの落ち着いたオレンジのセーターと、大きな箱には手作りと思われるファッジ・キャンディが出てきた。
宛先を確認すると、そこには『ロンの母より』と書いてあり、ミラはセーターとファッジの入った箱を引っ掴んで談話室へ向かった。
ハリーとロンの姿はなく、まだ男子部屋にいるのかもしれないと考えていると、フレッドとジョージがバタバタともがいているパーシーを抱えて降りてきた。
「やぁ、ミラ!メリークリスマス!」
「ハッピークリスマス、ミラ!」
「あ…メリークリスマス、フレッド、ジョージ…それにパーシーも」
ミラは双子に抱えられてもがいているパーシーを見て苦笑いをこぼした。