第11章 みぞの鏡
ミラはドラコの声が聞こえた時から完全に背をむけ、ハーマイオニーと話をしていた。ハーマイオニーはチラチラとハリー達を心配そうに見ていたが、ミラは構わずクリスマス休暇について話していた。
ドラコたちが通り過ぎていく時も、ミラは背中を向けたままだった。一瞬視線を感じたような気がしたが、ミラはやはりドラコには顔も向けず、ハグリッドの運んでいるモミの木の葉をいじっていた。
ハグリッドが優しく四人に話しかけ、大広間がすごいことになっていると教えてくれると、四人はハグリットの後に続いて大広間に向かった。
大広間にはマクゴナガル先生とフリットウィック先生が忙しくクリスマスの飾り付けをしているところだった。
ハグリッドの存在に気がついたマクゴナガル先生が、モミの木を角のところに置くよう話しかけた。
広間はすでに素晴らしい眺めで、四人は感嘆の息を漏らした。
柊やヤドリギが、リボンのように組み合わされて壁に飾られ、クリスマスツリーが十二本も聳え立っていた。小さなツララでキラキラ光るツリーもあれば、何百という蝋燭で輝いているツリーもあった。
「休日まであと何日だ?」
「あと一日よ」
と、ハグリッドの問いにハーマイオニーがすかさず答えた。
「そういえば---ハリー、ミラ、ロン、昼食まで三十分あるから、図書館に行かなくちゃ」
「…そうだったね」と、ミラもモミの木に色々な飾り付けを行っているマクゴナガル先生の魔法に見惚れていたが、渋々とハーマイオニーの方に振り返った。
四人は大広間を出ていくと、ハグリッドが後をついてきた。なぜ図書館へ行くのかと聞くと、ニコラス・フラメルについて探しているとハリーが答えた。 するとハグリッドは「なんだって?」と、驚いた顔をした。
結局ハグリッドの口からヒントになるようなことも出てこず、四人は「それなら図書館で見つけなくちゃ」と、ムッツリしているハグリッドを置いて図書館に向かった。