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【HP】怪鳥の子

第2章 宛名のない手紙


 ミラは自分をジッと見つめるマクゴナガルの瞳を見ていると、スッと怒りが引くのがわかった。風も弱まり、辺りはいつも通りの光景に戻った。落ち着いたミラは、マクゴナガルが言ったことを思い出しながら、頭の中で考えをまとめた。

「つまり…ハリーもホグワーツに来るんですか!」
「その予定です。事情があるのです、ミス・グローヴァー。いかなる理由があろうと話してはいけません。約束できますか?」

 ミラはしばらく考えた後、ゆっくり頷いた。
 それを見たマクゴナガルは微笑むと、ミラの肩から手を離し立ち上がった。

「私は行きます、今日は貴方に会えてよかったです」

 そう言うと、マクゴナガルは中庭から出て行った。ミラは慌てて後を追いかけたが、角を曲がった先でバチンと音が聞こえた。ミラが曲がり角を見ると、そこには誰もおらず、ミラはやっと彼女が魔女だと言うことを実感した。


・・・・・


その日はおかしなぐらい静かだった。
夕食の支度をしている最中や食後も、ミス・メアリーは自分に一切の嫌味を言わなくなった。それどころか目も合わせようとせず、ミラは不思議に思ったが、その光景も三日も見ると慣れてしまった。

 七月ももうすぐ終わりを迎える頃、ミラはやっと時間を見つけてハリーの家を見に行った。1ヶ月も会えないと、流石に生きているか心配になった。
 しかしミラが見たダーズリー家は、前と見た時とはだいぶ変わっていた。至る所にフクロウが所狭しとダーズリー家のあちこちでとまっており、まるで不思議な世界を見ているような気分だった。ミラは恐る恐る近寄って見てみると、その異様な光景にドキドキしながらも、滅多に見れないフクロウに感嘆の声を漏らした。
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