第10章 クィディッチの初試合とゴールデンスニッチ
週末はハリーがクィディッチの練習で駆り出されると、ミラは溜まった宿題や変身術の勉強をこなしていた。それが終われば、双子のフレッドとジョージの悪戯に加わったり、まだ行ったとこのない学校の敷地内を徘徊したり、学校生活を楽しんでいた。
「ロン、ミラを見かけなかった?」
日曜日の午後、勉強道具を思って談話室に降りてきたハーマイオニーは、ディーンとチェスをしているロンに話しかけた。
「せっかくの日曜なのにまた図書館へいくのかい、君は?」
ロンは顔を引き攣らせながら言った。
「時間は有限よ、ロン。ここの図書館の本の量を考えたら、とてもじゃないけど卒業までに間に合いそうにもないわ。それに、今週提出する宿題は終わらせてあるの?」
「あー…あともう少しだったような…あ、ミラなら学校のどこかにいるんじゃないかなぁ。ハリーがミラは時々一人になりたい時があるって言ってた」
宿題のことを聞かれたロンは、最初に聞かれたミラのことを出して話題を逸らそうとした。ハーマイオニーはロンに呆れながらもミラの居場所がわからなかったが、一人の時間も必要だと納得して図書館に向かった。
・・・・・
外は凍えるように寒かったが、珍しく陽が出ており、ジッとその陽に当たっていると上着の中まで暖かくなるのがわかった。湖はうっすらと凍りつき、あと数週間もすれば分厚い氷が湖を覆ってしまうだろうとミラは思った。
ミラは湖の林の中をある物を持ってコソコソと奥へ進んだ。辺りに人がいないことを確認すると、箒に跨って軽く飛び上がった。木々をすりていくと、抜け冷たい風が頬に少しピリピリしたが、なんとも言えない開放感にミラはワクワクした。
箒に無断に乗ることは校則違反だが、フレッドとジョージの悪戯に何回か参加した後に、二人が箒置き場から箒をどうやって取ってこられるかこっそり教えてくれたのだ。
そして時々学校を徘徊し、こっそり飛ぶ場所がないか探した結果、湖の林の中が人がそんなにこないことがわかった。特にここ最近は寒くなったせいか、湖にも人が寄り付かなくなった。