第10章 クィディッチの初試合とゴールデンスニッチ
そして次の金曜日の魔法薬の授業はあっという間にやってきた。ミラ、ハリー、ロン、ハーマイオニー、ネビル、そしてシェーマスとディーンは固まって授業が始まる5分前にやってきた。中にはすでにスリザリン生と、数人のグリフィンドール生がいた。
みんなはスリザリン生と目を合わさないよう静かに席に着こうとすると、やはり何か言わないと気が済まないドラコがクラッブとゴイルを引き連れてハリーの前にやってきた。
「おやポッター、随分遅い到着だな。授業がもうすぐ始まると言うのに予習する時間もないんじゃないか?それとも代表選手だからしなくてもいいと?」
「君だってさっきまで喋ってたじゃないか、また君の父上の話をみんなに聞かせてあげてたのかい?」
「父上をバカにするな、ポッター!」
二人は睨み合い、一歩も譲らないと言った様子にミラとハーマイオニーはため息をついた。
「ハリー席に着こう、ドラコが私たちの予習を心配してくれてるみたいだから」
ミラはハリーとドラコの横を抜けると、その後に口元に手を当てたり、ドラコの顔を見ないように笑いを堪えながらみんなが後に続いた。最後にハリーが「君に心配されなくても予習なら昨日やってある」と、ニヤッと笑って通り過ぎた。
「誰がお前たちの予習の心配なんか!」
ギリっとドラコは歯を鳴らした。忌々しくハリーを睨みつけながらも、自分の揚げ足をとるミラにも視線をよこした。ミラはあの日から徹底的にドラコを視界に入れないようにしていたし、廊下ですれ違おうものならば、さっきのようにハリーを完全に怒らせる前に手を打ってくる。
厄介な存在にドラコは席に戻ってもイライラしていたが、授業が始まり、スネイプ先生がいつものグリフィンドール生に嫌味や減点する姿を見てスッと胸の内が晴れた。
「ドラコ、これでいいかしら?」
「あぁ、そこに置いておいてくれ」
同じクラスのパンジー・パーキンソンは嬉しそうにすり潰した薬草をドラコの近くに置いた。ジッと自分を見つめてくるパンジーに、ドラコは自分が切っていた薬草を切るように指示し、自分は鍋の用意をしてくるとテーブルを離れた。