第10章 クィディッチの初試合とゴールデンスニッチ
「もうあいつとは組まない」
ミラはお昼の時間まで不機嫌だった。大広間のテーブルに並んだミートパイをフォークで乱暴に刺し、自分の持っていた小皿に乗せた。ハリーとロンはようやくミラがドラコと喧嘩したことに笑顔で話を聞いていた。
「結局は自分の保身に走るクソ野郎だ!」
「クソ野郎だなんて…確かにそうだけど、女の子がそんな言葉遣いしちゃダメだわ」
隣に座っているハーマイオニーはミラに言葉遣いを注意すると、ミラはめんどくさそうに「はいはい」とめんどくさそうに返事をした。
「あいつがダドリーみたいな嫌な奴だってわかってただろ?」
向かいに座っているハリーが言った。
「ダドリーの方がまだ可愛げがあった気がするよ」
ミラはホグワーツに来る前に一緒に乗った車で、自分の隣には絶対座りたくないと首がちぎれるくらい横に振っていたのを真似して見せると、ハリーもその時を思い出して笑い声を漏らした。
「君はハリーの従兄弟に何をしたっていうんだい?」
ロンは恐る恐るミラに聞くと、ミラは握り拳を見せた。飲んでいたオレンジジュースをロンはゴクっと飲み、それ以上は聞かないと、2つ目のフライドフィッシュに手をつけた。
「---とにかく、ミラはもうスパイをしなくていいってことでしょ?次は私と組みましょう、きっといい魔法薬が作れるわ!」
「こんなこと言ったら変だけど、来週の魔法薬の授業が楽しみになったよ」
「まぁ、ミラったら!」
二人は顔を合わせてクスクス笑っていると、向かいに座っているハリーとロンは顔を引き攣らせていた。
「冗談でもあの授業が楽しみだって言えるのはミラくらいだよ」
「全くだ。今日も羊皮紙1枚分の宿題を出されてるってのに頭がイカれてる!」
理解できないと、ロンは早々に昼食に集中することにした。ハリーはハーマイオニーと楽しく会話をしているミラを見て、頬を緩ませた。