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【HP】怪鳥の子

第10章 クィディッチの初試合とゴールデンスニッチ


 夜が明けると、晴れ渡った寒い朝が来た。大広間はこんがり焼けたソーセージの美味しそうな匂いと、『クィディッチ』の好試合を期待するウキウキしたざわめきとで満たされてた。

「ハリー、朝食食べないとキツいんじゃない?」
「何も食べたくないんだ」
「トーストをちょっとだけでも」

 と、ミラとハーマイオニーはハリーになんとか一口でも朝食を食べさせようと優しく言ったが、ハリーは緊張しているせいで胃が何も受け付けなかった。
 そして結局ハリーは朝食を一口も口にしないまま、競技場に向かう事になった。

 11時ごろになると、学校中のみんなが競技場に押し寄せていた。ミラ、ロン、ハーマイオニー、そしてネビル、シューマス、ディーンたちを加えて一緒に競技場の最上段に陣取る事に成功した。ロンはハリーをびっくりさせてやろうと、スキャバーズが齧ってボロボロにしたシーツで大きな旗を作っていた。
 『ポッターを大統領に』と描いたその下に絵の上手なディーンが、グリフィンドール寮のシンボルのライオンを描き、さらにハーマイオニーがちょっと複雑な魔法をかけて、絵がいろいろな色に光るような仕掛けを施していた。

(いい友達ができたな、ハリー)

 ミラは手作りの旗をチラッと見上げながら、試合を今かいまかと楽しみにしている友達たちを微笑ましくこっそり見た。


 しばらくすると、選手控室からグリフィンドールとスリザリンの両チームがグラウンドの中央へ向かって歩いてくるのが見えた。両チームが向かう先にはマダム・フーチが立っており、ロンがすかさず「今日はあの先生が審判だ」と教えてくれた。

 ミラたちはハリーの姿を見つけると、ロンは旗を大きく振ってみせた。すると、ハリーがこっちを見たような気がして、みんなはハリーに大きな声援を送った。
 選手たちが箒に跨ると、ミラもワクワクする気持ちが大きくなった。

(ハリー、ここで見守ってるから!)

 笛の音が鳴り響くと、十五本の箒が一斉に空高く舞い上がった。
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