• テキストサイズ

涼風の残響【鬼滅の刃】

第22章 想いと約束


「やはり現役の柱の体力は凄まじいな。正直なところ、君よりも先にバテるとは思っていなかった」

「体力で実弥君や杏寿郎さんには敵いません。ただ実弥君が……気付け薬は絶対に渡さないって態度に出てたので、最後はほぼ気力のみで挑んで乗り切ったんです。ほら、巾着袋の紐が固結びされてるでしょう?」

「本当ですね!僕、気付きませんでした」

剣士たちの多数が気を失ったことで杏寿郎の稽古は一時中断となった。

風音はどうにかこうにか気力のみで稽古をやり遂げ、今は疲れた体を槇寿郎や千寿郎、剣士たちと癒しているところである。

剣士たちは死んだように眠っているので、槇寿郎と千寿郎と共に、稽古を終えた後とは思えない実弥と杏寿郎の火炎旋風巻き起こる手合わせを冷や汗をかきながら見学中だ。
そして三人が注目しているのは実弥のベルトに括り付けられた風音の巾着。

紐で口を閉じられているのは勿論だが、決して中身を取り出せないようにと更にきつく縛り付けられている。
巾着として再起可能なのかは疑問に残るところだが、持ち主である風音は全く気にしていない様子。
それもこれも実弥が風音の無茶を封じ、体に負担をかけないようにと配慮してくれているからである。

「私も途中から気付いたんです。気付け薬が貰えないなら、気を失うわけにはいかないって必死でした……あの、お庭大丈夫でしょうか?実弥君と杏寿郎さんの手合わせで木の葉っぱが……」

気を失うほどの厳しい杏寿郎の稽古の次に気になるのは、二人の体力の凄まじさももちろんであるが、それより何より手合わせが行われている煉獄邸の庭の安否だ。

先ほどから槇寿郎と千寿郎の冷や汗が滝のように吹き出しており、それを目にしている風音からも冷や汗が吹き出している。

「に、庭は無事ではすまないと思いますが、兄上と不死川さんの邪魔は出来ません。大丈夫です!お二人の手合わせが終わり次第、父上と元に戻しますので!その間、柊木さんは引き続き兄上の稽古に励んで下さい!」

「俺もか?!……むぅ、仕方あるまい。千寿郎の言う通り柊木……さんは稽古に集中してくれ」
/ 985ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp