• テキストサイズ

涼風の残響【鬼滅の刃】

第12章 紋様と花


風音が眠りについてからしばらく、物理的にあの場へ行くことの叶わなかった者以外の柱が駆け付けてくれた。

その中にはしのぶも含まれており、ひとまず最寄りの藤の花の家紋の家に身を寄せて鬼殺隊剣士たちの治療を行うこととなった。

『なぜ首に刀傷があるんでしょうね?今回の鬼は刀を攻撃手段として用いていないはずですが。不死川さん、風音ちゃんが起きたら言い聞かせていてくださいね。あとこの隊服……いえ、今は何も言いません』

やはり師範である実弥がしのぶからお小言を頂戴する羽目となり、スヤスヤと眠る風音の鼻をつまんでやろうかと思ったとか何とか……

「だから言ったじゃねぇか。俺と一緒の隊服にすんなって……」

「うん。しかも今回は腕じゃなくて首切っちゃったから袖は関係なかったよね」

体調が落ち着いた数日後、風音は無事に蝶屋敷へと搬送され当然の如く入院生活に突入ことと相成った。
そして蝶屋敷に到着した翌日、つまり本日のつい先ほどまでしのぶからお叱りを受けていたのだ。

師弟揃いの隊服にするのは構わないが、それが体に傷を作る前提のものはいかがなものか。
傷を見る度に悲しい気持ちになるので控えてください、不死川さんはともかくとして。

と。

「さすがに俺でも首切るって選択はしねェぞ。鬼の顔にぶっかけるために首切んなよ……んで、眠っちまう前に言いかけてたこと何だァ?」

「……善処します。あ!そうそう、私ね、鬼の先も見えるようになったの!でも任務では頸を斬る前提で鬼と対峙するから、任務ではあんまり使わないようにしないと。万が一共有切れなかったら……危ない、色々と」

曖昧な返事にゲンナリしたのも束の間。

事前に

『風音は鬼の先も見えるようになったと言っていたぞ。今日の戦い方を見ている限り、更に不死川の心配事が増えると予測される!注意してみていてやってくれ!』

と杏寿郎を通して実弥を含む柱全員や本部に通達があったものの、事も無げに本人から聞かされた実弥に出来たことは大きく溜め息を漏らすことであった。

「軽やかに言う事じゃねェだろうが!それ、鬼に知られてねぇだろうなァ?!ただでさえお前、塵屑野郎共に狙われてんだろ?自分の事に危機感持ってくれよ、頼むから!」
/ 985ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp