第2章 密事〜禪院直哉〜
俺の名前は禪院直哉。
呪術界御三家、禪院家の次期当主。
ホンマは兄らがいてるけどパッとせんもんで俺が選ばれた。
俺以外はみんなカスや。
カスは俺の前に跪いたらええねん。
特に女。
出しゃばる女はアカン。
男の三歩後ろを歩かれへん女は死んだらええ。
やっぱり、男を立てられへん女はあかんな。
女は男を立ててなんぼや。
俺は俺の後ろを歩く女しか好きになれん。
エッチの時かて尽くしてくれる女やないとやる気が起こらん。
俺の周りにはそういう女しかおらん。
そういう女しか置いてへん。
みんな俺の言いなりや。
今日は御三家加茂家当主の娘、みやびちゃんとお食事デートや。
食事の後は俺が個人的に使ってるマンションへ連れ込むって決めてる。
みやびちゃんは子供の頃、ようウチに遊びに来てた。
「こんにちは。直哉くん。」
「ああ、みやびちゃん。いらっしゃい。今日も可愛いお着物きてはるね。」
「あ、ありがと、直哉くん。」
褒めると照れるみやびちゃん。
「今日はどないしたん?」
「あ、あの、これ、私が作ったの。直哉くんに食べてもらおうと思って……はい。」
そう言って可愛らしい箱を俺に渡すみやびちゃん。
箱の中にはクッキーが入ってる。
「うわ、美味しそうやねえ。みやびちゃん、1人で作ったんか?」
「うんっ。」
「そうか。おいで、みやびちゃん。」
両手を広げてみやびちゃんを呼んだ。
「………で、でも。」
周りをキョロキョロ見ながら逡巡するみやびちゃん。
「俺の言う事だけ聞けって教えたやろ?聞かへんかったらまた髪の毛引っ張り回すで。」
「わ、わかった。」
そして俺の胸に飛び込むみやびちゃん。