第11章 ダーハルーネ逃走劇
ラッドとヤヒムが去った後、街がざわめき始めていた。
「いよいよ!海の男コンテストが始まるのね!」
いやーんと嬉しそうにシルビアは体をくねらせる。
しかし、楽しみとは違い悲鳴が町に響いた。
「なんだか、コンテスト…という雰囲気ではなさそうですね…一体何が?」
セーニャが不安そうに町の広場の方を向いた。
「カミュちゃんとブレインちゃんに何かあったら大変だから急いで行ってみましょ?」
ベロニカとサランはうなづいてシルビアとセーニャと走った。
「ちょっと待って!!」
シルビアが建物の影から様子を窺う。
飛び出そうとした3人を引き止めた。
「あの二人なんだか囲まれてない?」
ブレインとカミュは鎧で身を固めた兵士に囲まれている。
「悪魔の子よ!我が手中に堕ちるがいい!」
緑がかった金髪の男がブレイン達に叫ぶ。
「…!!」
サランは息を飲んだ。