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月夜の歌姫

第82章 双子の運命


音色が聞こえ、ブレインは目を開けるとネドラが苦しんでいた。

「身体中から力が抜けていく…何だこの耳障りな音は…」

ネドラが苦しむなか、聞いたことのある声が響いた。

「忌まわしき魔物よ。
風の裁きを受けなさい!」

聖なる風に切り裂かれネドラは消滅した。
声の主はブレイン達に近づくと傷を癒す魔法をかけてくれた。

「みなさま!今お助けします。」

傷が癒え、体の自由が効くようになるとみんなが立ち上がった。
カミュはその姿を見て驚いた。

「お、お前!もしかして!」

「セーニャさん?」

サランもその姿に驚く。

その女性は祈りを捧げるような姿勢をとる。

「…私は勇者を宿命を持って生まれた聖地ラムダの一族。世界が滅びようとも命に代えてあなたをお守り致します。」

女性は顔を上げた。

「みなさま…よくぞ、ご無事でいてくれました。」

サランはその姿を見ると、涙が溢れ走り出した。

「セーニャさん!」

サランはセーニャに飛びつき抱きしめた。

「サラン様、お久しぶりです。」

セーニャは嬉しそうに微笑んだ。

「セーニャ、ありがとう。あなたが助けてくれたのね。今までどこでどうしていたの?」

マルティナがホッとしたような表情をする。

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