第81章 ネドラの襲撃
ロウもうむと感心していた。
「さすがじゃわい。どれ、姫よ。我々も負けてはおらんぞ。」
「はい!ロウ様。」
マルティナが先制攻撃をする。
しかし、ネドラはひらりと交わした。
すかさず、ロウがマルティナの背後から飛び出しネドラに斬りかかった。
そこへ勇者が覇王斬をネドラに叩きつける。
ネドラがぐおぉっと断末魔を上げた。
「この強さ…はるか昔にあいまみえた、勇者ローシュを思い出す。
だが…所詮は人間!」
ネドラはやけつく息を吐いた。
先程とは、火力が全く違う。
「う…ごほっごほ!」
みんなを守ろうと声を出そうとしたがサランもその息を吸ってしまい、喉が焼けるような痛みと目眩に倒れた。
ただ1人、踏ん張っていたブレインもガクッと膝をついた。
「おのれの無力さをあの世で悔やむがいい!
貴様らの命、喰らい尽くしてくれよう。」
ネドラが襲い掛かる。
朦朧とする意識の中、竪琴の音色が耳を掠めた。