第80章 優しいよるだった
次の日にはラムダへ向けて出発すると決めていた。
だからかその夜は各々眠れなかった。
カミュはブレインと夜遅くまで話し込みロウはなぜかピチピチバニーの本を眺めている。
グレイグとシルビアも懐かしき日々の話にふけっていた。
マルティナはサランとハーブティを飲みながら談話して次第に眠気が来た者から眠っていった。
サランが少し大きなあくびをする。
「サラン?眠い?」
大きく息を吐いて少し目を擦る。
「そうですね。安心したら眠くなってしまって…」
そんな、子どもみたいなサランにマルティナは優しく笑った。
「じゃあ、カップは私が片付けとくわ?
あなたは先に寝てて?」
サランは素直にありがとうございますとベッドで寝はじめた。
マルティナがカップを宿屋の店主に返しに行くと、シルビアも借りてた物を返しにいた。
「シルビア?みんなはもう寝たの?」
「あら?マルティナちゃん。
えぇ。ロウちゃんはあの本をまだ読んでいたけど、グレイグやカミュちゃんたちはベッドに入ったわ。」
マルティナはロウがそれを読んでると知り微妙な顔をした。
「サランは寝たの?」
「えぇ、やっぱり疲れきってたみたいでハーブティを飲んだらほっとしたのかすぐ寝ちゃったわ。」
シルビアは安心したようにクスリと笑った。